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「早く火消せ。早く」
既にワイングラスを左手に握りしめた
高松さんが急かした。
「はいっ。では遠慮なく」
私はその場にしゃがんで、大きく息を吸って、ふうっとロウソクの炎を吹き消した。
再び、拍手。
「いくつだっけ?」
「えーと、二十八になりました」
「それでもまだ二十代なのね」
少し残念そうに感想を述べた谷さんに、高松さんは、谷さんはいくつ、と訊いて見事に黙殺された。
谷さんの正確な年齢は私も知らない。
でも、いつもメイクもネイルも怠らず、服のセンスもよくて、もちろん仕事もテキパキこなしている谷さんは私の一番身近な目標だ。
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