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「分からねえ? 承知の上で販売してたんじゃねえのか?」
「そうかも知れません。金になりさえすれば何だって出版する。出版社としての見識も、誇りも、モラルも何も無い。だから、こういう事になる訳です」
「出版社が悪いのか? いや、それは違うだろう。犯罪に走るのは頭のオカシイやつらだ」
「勿論そうです。少女を監禁して、やりたい放題なんてのは精神異常者に決まっています。しかし、そういう行為を助長させているのが【異常なコミック】なんです」
「異常なコミック?」
「ええ。反社会的で、人を人とも思わないような【刺激的で独善的な行為が面白い】と誘導するような内容のコミックです」
「少女監禁が面白い? 犯罪意識が無いってことか?」
「ええ。コミックは妄想で描かれたものです。しかし若年層は、そうはとりません。そうした行為は特別に異常なものではなく世の中に溢れていると誤解する訳です」
「誤解する? まさかっ!」
柿原はたばこを揉み消した。
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