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「ほおっ! 気が利くな。さすがは鈴ちゃんだ。注文しようと思ってたんだ」
「いつもの事だから分かるわよ、それぐらい。ワンパターンだし。結城さんも同じで、いいのね?」
女将が結城に笑顔を向けた。
「えっ? はい。同じでいいです」
「まあ、一杯いこう」
柿原はビール瓶を掲げて促した。
「あっ、はい。すみません」
結城はグラスを傾けて受けた。柿原が注ぎ終わると、「どうぞ」とビールをつぎ返した。
「デカ長が気の毒でならんよ」
柿原は、ビールを半分ほど干し、焼き鳥串を掴んだ。
「ほんとですね。まさか、デカ長の娘さんが監禁されていたなんて」
結城は眉をひそめた。
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