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「ええ。時間の問題でしょう。恐らく期限つきで勧告は受けているだろうと思います。それまでに売り切ってしまおうと動いているのかも知れません。ただ、これは警察の関与する問題じゃありませんからね」
「そりゃそうだ。我々の捜査は少女監禁事件に対してのものだ。出版物の摘発は各都道府県の行政機関か、専門機関だろう。だが、そっちを早えとこ進めて貰わんことにゃあ、こっちが忙しくてかなわん。いや、犯人をあげることより、デカ長の娘さんのような、不幸な事件の原因を取り除くことが先決だ」
「ええ。【妹とやりまくりハッピーライフ】を皮切りに、良識と正義の剣で一刻も早く悪徳出版業界の闇を切り裂いて欲しいものです」
柿原は、ついと立って奥へ声をかけた。
「おーい鈴ちゃん! 暇なら、こっちで一緒に飲まねえか? 奢るぜ! おまいさんのおたふく顔を見ると、なんでか、酒が旨いんだ」
―了―
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