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僕は、その会話を学生食堂で聞いた。
隣のテーブルの端で男子と女子学生が対面している。
「実は……投稿してるんだ」
「あらあらっ! ぐうぜん! あたしも書いてるの」
「えっ? ほんと? 小説だよ?」
「ええ。小説未来の新人賞に応募したばっかりよ。あなたは?」
「あっ、オレ?」
「そうよ。投稿してるって言ったでしょ? どこへ?」
「タベリスタだよ」
「タベリスタ? 聞いたことないわね。出版社なの?」
「うん。ネットサイト。無料で投稿出来て……それは電子書籍なんだけど、自由に価格設定して販売できるんだ」
「まあっ! 出版社主催の文学賞じゃなくて、いきなり商売なの?」
「うん。印税が40%だから、悪くないよね」
「40%も!」
「うん。普通の出版なら、印税は10%だけど電子書籍だからね。印刷しないし、書店に並べないから流通費もかからない。出版社の人件費も発生しない。だから印税を高く出来るんだ」
「まあっ! 凄い! で、儲かってるの?」
「うん。まあ、ちょびっとだけどね」
「どれぐらい?」
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