宣伝文句

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「毎日2ページ書いて、2円×読者数30人で60円。60円×30日で1800円。それの40%だから毎月720円ぐらいかな」 「1ヶ月書いて720円なの? 割に合わないわね」 「うん。いや、これはオレの場合で、人気クリエイターになれば、もっと儲かるんだ」 「人気クリエイターって?」 「だから、読者を増やす為の宣伝活動を絶え間なくやり続ける事の出来る、つまり、そういう時間が有って、商売熱心なクリエイターが居るんだけど……そういうクリエなら100人ぐらいの読者を持ってるから、もっと儲かる」 「それにしたって、毎日200円。それの30日で6000円よね。それの40%なら2400円にしかならないでしょ」 「うん。確かに。コンビニのバイトなら一晩5時間で6000円になるしね。そういう意味では……」 「商売にしては、現実的じゃないわね」 「まあね。もともと趣味だからね。だから作家と呼ばずに人気クリエって言うのさ」 「タベリスタだっけ? ちょっと覗いてみようかしら」 僕は、そんな偶然で耳にした【タベリスタ】を検索してみた。 《小説・コミック 投稿・販売プラットフォーム》とある。 なるほど。要するにペイ・パー・ビューだ。これだけの作品数があればサイトとしては儲かる訳だ。全体で、日に100万ページ売れたとすれば、その60%の60万円がサイトの収入になる。1ヶ月で1800万円か。人件費をかけずに、まるまる利益だ。こんなウマイ商売はない。 ほどなく、女子学生の声が聞こえた。
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