確信犯じゃない

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ずっと連絡を寄越さなかったくせに。 どうして今更連絡をしてきたのか・・・。 しかも私が誕生日を迎える直前というこのタイミング。 これが偶然だとしたら本当に最悪だ。 もう振り回されたくはないのに。 “誕生日”という特別な日に連絡をくれた事によって、再び私の中で何かが蠢き始めてしまった事は否定できなかった。 「そ・・・そういう事だから。 もう慧とは会えなくなっちゃうかもね・・・。」 思わず口にしてしまった彼の名前。 私の背後には己一がいる。 電話を繋いでからずっと、この名前を絶対に口にするまいと気を遣っていたはずなのに・・・。
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