確信犯じゃない

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―――「・・・驚いたな。 お前、もう新しい彼氏ができたのか・・・?」 電話の向こうから苦笑する声が聞こえる。 きっと慧は呆れているのだろう。 春までは自分の事を好きだと言っていた女が、季節が変わって久しぶりに連絡した時にはもう新たな恋人を作っていたなんて・・・。 幻滅したのかな? でも慧の中での私は、きっと尻の軽い誰にでも股を開く女・・・。 「慧と会っていない間に、素敵な出会いがあったの。 今日も彼の家にいるんだ。」 もうだいぶ長い事通話を続けている。 そろそろ終わらせなければいけない。 そう思った私は畳みかけるかのように話題を変え、今自分が己一と一緒にいる事を慧に伝えたのだ。
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