確信犯じゃない

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唐突に投げ掛けられたサディスティックな質問。 きっと慧はわざとだ。 私が己一と一緒にいる事をわかっていて、あえてこの場で返答し難い問いを投げつけた・・・。 「それは・・・。」 言葉に詰まるのも当然。 そんなの私には比べる事ができない。 過去に大好きだった慧と、今一番大切にしたい己一。 どちらも素敵な人だから好きになった。 だから私には、双方に回答が聞こえてしまうこの状況下で彼らに優劣を付ける事はできない・・・。 ―――「・・・どうした?」 困り言葉を失った私を煽るかのように。 慧は不敵な笑みを含んだ声で、言葉に詰まった私の回答を待っている。
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