確信犯じゃない

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―――「変わったって?どんな風にさ?」 彼は私の現状を一切知らない。 仕事を辞めこれから地元を離れようとしている事。 それから、曖昧な関係ではない相思相愛の“恋人”ができたという事も・・・。 「それは・・・、まぁ、色々あるのよ。」 この場を濁して早く終わらせたかった。 もう電話で話し始めてから1分以上は経っているだろう。 そして私は、きっと既に22歳の誕生日を迎えていた。 ―――「色々じゃわかんねぇよ。 せっかく久しぶりに声を聞けたんだから、もっと詳しく教えてくれ。」 まるで私の声を聞けた事を喜ぶかのように。 彼は電話越しに私を尋問し、電話を切るタイミングを与えてはくれない。
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