確信犯じゃない

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きっと前者である事は間違いない。 私は彼にとってただの“玩具”でしかなかった。 “玩具”なんていくらでも代わりが見付かるし、飽きられてしまえばそれでお終いなのだから。 ―――「で・・・、今度はどこに住むのさ?」 僅かな沈黙の後に聞こえた質問。 話の流れであったのだとしても、まだ私に興味を持ってくれていた事が素直に嬉しかった。 「札幌・・・。 まだ新居は決まってないんだけどね。」 例え新居が決まっていたとしても彼には教えない。 私が札幌に住もうと思った理由。 複数あるその理由の中に、彼との別離が含まれているから。 それなのに・・・。
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