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確かにそうだ…
"京都守護職"…て言ったら聞こえは偉いけど、結局は幕府公認の荒くれ者が集う殺人集団…
浪人と分かれば有無を言わさず簡単に人を斬り捨てる…
理由も知らない京で暮らす人々にとっては恐怖でしかない。
「…結衣、お前は
再びそうなる必要なんか無い…
父さんだって、母さんだってこんな事望んじゃいない…」
「っ………!」
「まして彼奴も…「分かって
る!!」…結衣!?」
結衣は辰之助の言い分に間違ってはいないと分かっていても自分の考えを否定されたくなかったのか、声を荒げる。
ふだんから声を荒げる事がない結衣に辰之助は見開く。
「分かってる…けど…
何も無かった事にしようなんてただ、逃げてるだけ…
だったら何も変わりやしない。
私は今よりも強くなる…
新撰組に入隊して…もっともっと強くならなきゃいけない…
私が片付けなきゃいけない…
全てを終わらせなきゃいけない。」
「結衣…」
結衣の目は偽りもない目だった。
「この子か…」
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