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河原にてそう話す辰之助と結衣の会話を全て聞いていたとある美青年は、何かを察した表情をし、そうポソリと呟いた。
一方新撰組屯…
「女…?」
「最近ずっと来てるらしいよ。
入隊したいって…」
「女で剣士はあまり聞かない話だな。」
新撰組幹部隊士・五番組組長・武田観柳斎、四番組組長・松原忠司、七番組組長・谷三十郎の美青年三人は汗を拭きながらそう口を
溢す。
話の内容的に結衣の話。
新撰組内でかなり持ちきりの話の様だ。
「谷さん、総司のヤツ見かけませんでしたか?」
「ム?左之助どうかしたのか?」
「いや、土方さんの句集持ち出してるから土方さんかご乱心になっててですね・・・・・」
「またか・・」
「・・・・・・副長、またこの京で焼き討ち事件があったようです。」
「・・・また吉田稔麿ら…か。」
「まァ、そうなりますねェ。」
「引き続けて捜索してくれ」
「御意」
「了解」
「土方さんよォ」
「何だ、尾形」
「例の入隊希望の可愛い子チャ
ン、まだ諦めてないみたいですよ?
あんたも男だうんぬん言ってないで使える駒拾わないともったいないと俺は思うけど?ククッ」
「何が可笑しい?」
「いやァ、あんた何か隠してっぽいからさァ。
ま、面白い展開だから俺は黙っておきますけど。」
一方新撰組の鬼の副長・土方歳三は、監察の尾形、山崎に攘夷派である長州藩の過激派・吉田稔麿を始め、京に巣食う攘夷派浪士の情報収集を命じた。
そして、近頃結衣の行動や土方の態度に面白気に見ている尾形は不敵な笑みで土方にそう話すのであった。
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