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「………………」
「現在提供できる情報はこれだけです。それでお伺いしたいことなんですが
狭山さん6月7日にあなたは何をされてましたか?」
志村さんは感情なく聞いてくる
「……それは僕を疑っているということですか?」
「いえただの捜査の一環ですから、ご気分を害されたなら謝ります」
「いえ、大丈夫です。6月7日はここにいましたよ、この5年間この家から1日もいなかったことはありませんでしたし。もしいなかったとしてもコンビニに行く程度だったので15分くらいしか外出はしません。ちょっとパソコンでその日なにしてたか調べてみますね」
「いえ大丈夫です6月7日にコンビニであなたの目撃情報がありましたので」
ぶっきらぼうに手持ちの資料を見ながら加藤がしゃべる、刑事じゃなかったらどつきたい男だ。
「……そうですか、では聞きたいことはそれだけですか。協力できることならできるだけしますよ」
少しの静寂が流れた。すると志村さんが少し頭を下げしゃべりだした
「狭山さん。失礼ですがあなたと伊田芽さんの関係をお教えしてもらえませんか?」
「……僕と伊田芽の関係ですか、それは今の関係ですか?……それともあなた達が僕に行きついた理由の関係ですか?」
「両方教えていただきたい」
「…今は何の関係もありませんよ、昔はお互い好き合っていた時期もありましたが。付き合うまではいきませんでした」
「体の関係はあってもですか?」
加藤が変なものを見るような目で僕を見ている。
「そうです。僕が付き合おうと伊田芽さんに言えなかった。それだけです」
「それで今でもお引きずるになられているのですか」と加藤はさらに挑発をしてきた。
僕は怒りを抑え平常心を装いながら答える。
「そこまでわかっているなら、僕に会う必要はなかったのでは?」
「いえ、あなたの気持ちを確かめるのと心あたりを聞きたと思いまして。」加藤はいやらしそうに笑みを深めた。
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