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第1章
「ずっと一緒だよ」
「……」
「来年も一緒にこようね」
「……」
彼女は笑っていた。僕は笑えなかった。
僕はしゃべろうとしているのだが声がでてこない。彼女はそんな僕を気にせずに笑顔のまま僕を見ていた。
彼女と会えたのはいつぶりだろう、久しぶりに会えた彼女は僕からまた少し遠くなっているようで、僕はそんな彼女に近づくことさえできなかった。
彼女の顔も声も彼女の全てが年を取るごとにはっきりしなくなっていく。
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