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~髪色~
「ん~…」
温かい休日、ソファーに座って髪をいじりながら考える。
「どうかしたんですか?」
「んー…」
俺の隣に座った葉瑠がそう尋ねてきた。
「髪染めよーかなぁーって…」
「何色にですか?」
「んー…どうしよ。何色がいいと思う?」
葉瑠はうーんと考えると控えめに答えた。
「茶髪…とか?」
「茶ねぇ…歩斗と被る色は嫌だな」
「…金髪と茶髪はだいぶ違う気が…」
「あ、じゃあクソ金髪と真逆の銀髪にしよーかな」
「え!?」
銀髪と言った俺に葉瑠がだいぶ驚いた。
そんなに驚く?
「それかいっそのこと赤か…」
「赤…っ?」
葉瑠は衝撃で軽く絶句している。
なんか面白いな。
「銀とか赤にしたら葉瑠どーする?」
「ど、どうって…別に…」
「ちょっと嫌そうだったから」
「…ちょっと…びっくりはしますけど…」
もじもじしながら葉瑠は続ける。
「でも理人さんは理人さんだから…何色でも好きです…」
「……」
「ぁっ…ごめんなさい!変なこと言って…!」
いやいや…謝ることじゃないし。
顔赤くしてすげー可愛いこと言うから…こっちが照れたじゃん。
「俺も葉瑠好き。まじで今すぐ押し倒したいくらい…」
「えっ!?だめです…!」
「えーけち」
ソファーから立ち上がって逃げる葉瑠を捕まえて抱きしめる。
ほんとに…いちいち可愛いな。
~End~
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