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わたし、瀧澤琴音(タキザワコトネ)は恋をしました。
高校2年の夏。
補習授業でクーラーも無い教室で彼に出会った。
――出会ったと言うよりは、発見したに近い。
わたしは授業に集中出来なくてぼんやりと外を眺めていた。
先生の声は右から左に流れて、ラジオか音楽でも聞いている状態。
「暑い、さっさと帰りたい。」と小声で呟いた。
そんな時、転機が訪れた。
「すいません!! 遅れましたっ!」
「はぁー」
勢いよく教室に入って来たのは一人の男子生徒。
制服は急いでいたのかよれよれでネクタイも曲がっている。
その時は「遅刻か」としか思っていなかった。
「すいません。ちょっと目覚ましの設定が……これでも急いだほうなんすよ! 超ダッシュしたんで!」
遅刻の理由を必死に説明して罰を軽くしようとしているみたいだ。
「ああ……」
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