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お礼を言うと満面の笑みを向けられた。
「え、ええ」
目が離せなかった。
わたしはその笑みに一瞬で魅かれた。
一目惚れをした。
生まれて初めて好きになった。
心臓が大きく跳ねる。
五月蠅いぐらいドキドキする。
息をするのを数秒ほど忘れていたと思う。
キーンコーン
チャイムの音で我に返った。
「では、今日はこれで終わりです。明日テストを行います。その成績によっては補習が終わる生徒もいれば、あと数日かかる生徒も出るでしょう。気を引き締めて臨んで下さい」
授業の方も終わっている。
「後、絶対に遅刻はしないように。くれぐれも注意してください。以上」
先生は坂本君に念を押すように顔を向けて話している。
「あはは……気を付けまーす」
情けない声を出すと教室中で笑い声が広がった。
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