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その中でわたしだけは笑っていなかった。
只々、頬の熱を冷ますのに必死になっていた。
授業が終わって早々に友人のめいがやって来た。
「あれ? 琴音、顔赤くない?」
「だ、大丈夫だよ! ほ、ほら。今日って暑いからさ。あー暑い暑い」
案の定、顔が真っ赤な事を尋ねられた。
今日の気温が高くて良かったと思ったのは初めてだ。
手でパタパタと仰いでみるが、それほど涼しくない。
だが、これでどうにか誤魔化せたよね?
「そっか。確かに今日暑いよね」
「ホントにね。あははは……」
何とか怪しまれずに済んだ。
「それにしても疲れるわ。内容も全然入ってこないし、先生の声は子守歌に聞こえるしさ」
「それは同感」
「更にこの暑さでしょ。クーラー欲しくて仕方ないよ」
「確かに」
わたしたちの学校は県立の進学校だ。
進学にはそこそこ力を入れている。
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