第1話 彼の笑顔

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頭の良い組は夏期講習やら補強授業、冬期講習などを行っている。 「まあ、あとちょっとで終わりだし――それまでの我慢だね」 「そうだね」  今日の補習授業は無事に終了を迎えることができた。  赤点者の補習授業は放課後の数十分程度。 わたしたちは暑さから逃れるべく学校近くのカフェへ直行した。 「そういえばさ、坂本が補習とか珍しくない?」 「ぶっ!?」  坂本君の名前を聞いて思わずカフェオレを吐き出す。 「ちょっと、大丈夫?」 「うん」  とっさにハンカチを口元に抑えて、大惨事にならない程度に済んだ。 「急にどうしたの?」 「いや、さ。坂本って確か成績上位者じゃん。だから珍しいと思って」 「え? そうだったの?」 「あんた知らなかったのか」 「お恥ずかしながら」  めい曰く、1年生の時から坂本君は学年10位に入る人だったらしい。
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