第1話 彼の笑顔

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 しかし、2年生になってから段々と順位が下がっているようだ。  自分の成績以外あんまり見たことないから気が付かなかった。 「部活とか忙しいのか……」 「部活もやってるんだ」 「うん。確かバスケだったような――気になるの?」 「ふぇ!? な、何が?」  めいは口元を歪ませて答える。 「そりゃあ、坂本に決まってるでしょ」  やっぱりそうなるよね。  わたしはカフェオレ飲んでその場をやり過ごす。 「気になるんだ」  返事はしない。 「もしかして――好きなの?」 「なっ!?」 「当たりか」  図星を指されて顔がまた赤くなった。  これでは誤魔化しきれない。 「なるほど。遂に琴音に春が来たのか」
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