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ふいに、彩美がウチを見て言った。
「小田切基道さん」
「!?」
「良い男だったわよ」
……なんだって?
それは、どういう意味?
気がついたら、ウチは彩美のコートの襟を掴んでいた。
「あんた、小田切さんに会ったんやんな!? 彼は今、どこにおるんや!」
「危ない!」
ハルクがウチの腰に腕をまわし、彩美から引き離した。
これがあと1秒でも遅かったら、もしかしたら花瓶といっしょにウチの頭も割れていたかもしれない。
彩美を庇おうとしてなのか、みかんさんがウチに向かって花瓶を振り降ろしてきたのだ。
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