4.陶酔のショコラベーゼ

2/22
8108人が本棚に入れています
本棚に追加
/424ページ
「なぁんだか扱いがひどいですよね。大学生のときもそうでしたけど、どうにもならなくなったら来いって云ったくせに、だからこの会社に来たのに、なぁんにもフォローないし!」 息切れしながらなじると、旭人は唐突に足を止めた。 南奈も続いて立ち止まったが、それはつもりでしかなく、完全には止まれずによろけてしまう。 やっと足が地をつかんでから見上げると、旭人は何やら思案していそうに南奈を見つめていた。 「何をフォローしてほしいんだ」 旭人は問いかけながら南奈をじっと見据えていた。 冷ややかというよりはつっけんどんな云い方だ。 できることならしてやってもいい、とそんな譲歩が見えなくもない。
/424ページ

最初のコメントを投稿しよう!