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「なぁんだか扱いがひどいですよね。大学生のときもそうでしたけど、どうにもならなくなったら来いって云ったくせに、だからこの会社に来たのに、なぁんにもフォローないし!」
息切れしながらなじると、旭人は唐突に足を止めた。
南奈も続いて立ち止まったが、それはつもりでしかなく、完全には止まれずによろけてしまう。
やっと足が地をつかんでから見上げると、旭人は何やら思案していそうに南奈を見つめていた。
「何をフォローしてほしいんだ」
旭人は問いかけながら南奈をじっと見据えていた。
冷ややかというよりはつっけんどんな云い方だ。
できることならしてやってもいい、とそんな譲歩が見えなくもない。
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