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あやのは上がり框(かまち)に腰を下ろし、ブーツを纏ったままの脚を保志沢に差し出した。
端正な彼の顔が脚に近寄った。
熱く波が寄せられるあやのの心臓。
元来手先が器用なのだろう。保志沢は事も無げに噛んだファスナーを解いた。
ファスナーのつまみを滑らせた手でそのままブーツを脱がされて、あやのの黒のストッキングに包まれた脚が露わとなる。
「…あ、りがと」
脚に顔を寄せていた保志沢からの、上目遣いの視線が送られた。
心音が加速する。
どうしよう。この体勢からどう動いたら良いんだろうか。
「…あやの。パンツ丸見え」
「―――っ!!」
思わずスカートの裾を上から手で押さえた。
この展開にきて『パンツ』発言とか!ムードぶち壊し!
やっぱり喋ると残念な人だ、などと内心膨れながら立とうとすると、保志沢の手の動きがそれを阻んだ。
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