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「ん…っ、…あ」
保志沢の指の男らしく逞しい関節が、何度も生地を擦って刺激を与えてくる。
「上からじゃ…イヤ…」
「じゃあどうしてほしい?」
耳朶を食む勢いで保志沢が囁いた。
「……っ」
頭がクラクラする。
お酒ですらザルの自分はよっぽどの量を浴びなければ飲まれないのに、まるで泥酔しているように脳内が白く霞み思考が麻痺する。
「…ちょく、せつ…」
羞恥の浮かぶ熟れた顔でたどたどしく紡ぐ。
「指だけ?」
あやのが首を横に振ると、保志沢の口角は上がり切れ長の目にはさらに色が灯った。
やがて次々と押し寄せる、頭の芯が蕩けそうな快感の波。
波は引くどころかどんどん体に蓄積されて、まるで水をせき止めるダムのようだ。
全身を快感が走り抜ける。
ふわふわと意識は浮かされたまま、激しい動きと共に訪れる快楽に身を委ねる。
溶け合う熱と音と吐息は、互いが果てるその時まで尽きる事はなかった。
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