水上×瀬名 【グラタンができるまで】

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「デザートを作るのもいいけど、先にこっちのデザートを食べようかな」 その言葉の意味が分かったのは、唇の感触を捉えた直後だった。 唇だけを食まれた後は、角度を傾けての深く長いキス。 後頭部に添えられた手の平からは圧が掛かり、泡だらけの手では彼の胸板を押し退ける事は勿論身動きすらも取る事が出来ない。 「…た、か…」 隙間から抗議を紡ごうとした瞬間、水上の指が腰のラインを擦りシャツの下に潜り込んだ。 そんな、今から――背中はシンクの縁だ。逃げ場など無い。 「待…っ、あの、焼けるまであと10分ぐらいしかないですし今からじゃ…っ」 「今からじゃ?」 「時間が…」 「何の?」 「…途中で終わるのは、だし…でも急ぐのはあんまり…」 水上の手がするりと背中を撫で上げる。 ブラジャーのホックの上に到達すると、瀬名の心臓はまた一段、肩と共に跳ねた。 「だ、だから…って言わせないでくださいっ」 顔を真っ赤にして瀬名が見上げると、見下ろす彼はニッと唇を横に引いている。
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