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オーナーの黄嶋がいなくなると、きわめて日常的な生活が戻った。
ここでは、一人一人の生活が尊重されている。
最低限のルールさえ守れば。
ヤクさんは、書斎で本を読みふけっている。
自室にいる時は、黄嶋に仕事を依頼された時だ。
内容は、黄嶋が菅野に連絡し、菅野から渡される書類で知らされるので、ヤクさんと菅野しか知らない。
先生も、1つ1つの細かい内容までは知らないのだ。
ヤクさんは、自分にあてがわれた部屋を越してきてからほとんどいじっていない。
菅野からパソコンを2台借りて、置いているくらいのものだ。
にもかかわらず、英国風に設えてあるはずの部屋は、既に半ば仕事場のようになっている。
部屋の棚には、ファイルが2段ぎっしり詰まっていた。
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