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「それは・・・」
ヤクさんの問い掛け、それを能力と呼べるのか、という疑問に、いち早く反応したのはモトさんだった。
「データファイルを開かなくても、わかるということですか?」
「まあなー。あ、これ、胡散臭ぇって思うと、ドンピシャだったりするわけよ。」
「だから、ヤクさんには僕の傘下の会社のデータをいろいろ渡して見てもらっているんだよ。黄嶋グループは大きくなりすぎているからね。内部での腐敗は否めない。そこを見つけだしてもらってる。
ヤクさんの見つけた不正は、高確率で正解だった。」
「高確率、ね。てことは、俺、はずした?」
「いやまだ調査中の案件もあるから、あえて100%と言わないだけだよ。」
はずした?と尋ねた顔は相変わらず楽しそうで、ヤクさんは自分の失敗さえ面白がるのではないかと周囲に思われた。
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