共謀

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「いや、それ、ねえわ。言ったろ?俺は快楽主義者、楽しいことが好きで好きでたまんねえの。正義の味方より、正義の味方をしないで楽しめる方を選んじまうのが、俺ってこと。」 正しいことより楽しいことが優先だというヤクさんに、ブレはない。 それこそがまったく気の合わない点だと、ようやくモトさんは自分がヤクさんに苛立つ原因に突き当たった。 腐敗の際に立っていながら、絶対に腐ることなく、かと言ってつま先立ちでその際をふらふらと歩いては堕ちそうな自分が大好きな。 「あなたとは気が合うことが永遠になさそうな気がします。」 「うわ、つれねえの。俺はモトさんのこと、結構気に入ってんのによ。」 誰よりも辛辣で嫌悪すら混じった会話の応酬ができる相手という意味で、ヤクさんはモトさんを気に入っているらしい。 それは、好意と言えるのか否か。
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