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「治験って!馬鹿にもほどがあるでしょうが!あなたは、自分の体まで・・・っ!」
「菅野!」
さらに殴りかかろうとした菅野を、先生が腕をつかんで止めた。
いつも抑制のきいた態度ばかりの菅野とは思えない激昂ぶりに、周囲は驚いて声も出ない。
菅野の顔は、怒りで紅潮している。
「新薬って!副作用は!?」
「たまにある。ちょっとした微熱だの吐き気だの頭痛だの、まあ、いろいろとな。それを記録して、オーナーに渡してんだよ。」
「それを・・・っ!いつもしれっとした態度でちゃらけていながら・・・っ!私の手伝いをしている間も、そんな真似を・・・っ!」
「だってよー・・・言うと怒られるからー・・・」
「当たり前だ!!あなたって人は!!」
先生の制止さえ振り払いかねない菅野の怒りは、次の瞬間黄嶋にも向いた。
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