怒りのベクトル

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「まあ、さほど面白いことはなかろうがの。隠すほどのこともない。」 空になった湯飲みを持つと、先生は立ち上がった。 キッチンに返しに行く。 その後ろ姿を見ながら、ヤクさんとシンさんは、またしても顔を見合わせた。 「んなこと言って、一番驚かせてくれそうだよなあ、先生。」 「ですねえ。いったい何が出てくるやら。」 誰が何を話そうと、何を思い悩もうと、館の中の時間はいつもと変わらず流れていく。 そして、菅野とモトさんの告白の刻がきた。 .
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