報復

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「・・・決して嫌いってわけじゃあないんだよ、コメさん。」 黄嶋は、右手にスプーンを持ったまま、情けない顔になった。 目の前には、カレーライス。 好みでカツを乗せられるようになっている。 1人分のサラダの量は、いつもより多い。 そこにかかっているヨーグルトソースは、カレーの辛さの緩和と口の中をさっぱりさせるためにである。 「だから、これまであんまり作らなかったんだよね。」 全員の様子を見ながら、コメさんはため息をついた。 「カレーってさ、奥が深いし好みがはっきり分かれるから。」 本日は、じっくり煮込んだ牛すじカレー。 昨日から作っていた自信作だ。 コメさんにとっては。 しかし。 「・・・うう・・・辛いですぅ・・・」 オトさんが、最初にギブアップ宣言をした。
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