マグノリア・マナー

先生とモトさん

ダイニングルームを出たところで、先生がホールの方を指さした。

「一応、玄関を挟んで、向こうが西棟、こちらが東棟と呼ばれとる。」

「はい。」

「東棟の一階は、厨房とダイニングルーム、この正面が応接間と広間兼用になっとる。突き当たりが、コンサバトリーとかいう温室兼茶室みたいになっとる。」

間取りも、なるべく本場のマナー・ハウスを真似ようとしたらしい。

しかし、それではどう考えても不便な部分は、それなりに変更してある。

そんな造りを、モトさんはなるべく覚えようと先生の説明に集中した。

「一休みして疲れがとれたら、見て回りなさいよ。ここは、普段誰が何をしとっても文句を言うもんはおらんしな。」

そして、先生はモトさんを連れて西棟へ進んだ。