先生とモトさん

3/15
7943人が本棚に入れています
本棚に追加
/1157ページ
ホールの階段の前で、上を指さす。 「階段は、ここと西、東に1つずつ。ま、無駄にでかいのと、オーナーとオトさん以外の個室は2階にあるんで助かっとるが。」 西棟にあるのは、ライブラリと言う名の書斎と、オーナーが来た時のマスタールーム、それに突き当たりがオトさんの部屋だった。 「主寝室が1階・・ですか?」 「いつもいるわけではないのでな。居心地のいい場所は、私らの方に回してもらった。多少文句を言われたが、構うこたぁない。はっはっは。」 他のメンバーとは違い、昔からの親友である先生も、それなりにオーナーへの扱いがひどい。 「それとな。」 不意に、先生の声が低くなった。 何か重要なことを打ち明けるような響きに、モトさんが緊張する。
/1157ページ

最初のコメントを投稿しよう!