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ホールの階段の前で、上を指さす。
「階段は、ここと西、東に1つずつ。ま、無駄にでかいのと、オーナーとオトさん以外の個室は2階にあるんで助かっとるが。」
西棟にあるのは、ライブラリと言う名の書斎と、オーナーが来た時のマスタールーム、それに突き当たりがオトさんの部屋だった。
「主寝室が1階・・ですか?」
「いつもいるわけではないのでな。居心地のいい場所は、私らの方に回してもらった。多少文句を言われたが、構うこたぁない。はっはっは。」
他のメンバーとは違い、昔からの親友である先生も、それなりにオーナーへの扱いがひどい。
「それとな。」
不意に、先生の声が低くなった。
何か重要なことを打ち明けるような響きに、モトさんが緊張する。
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