先生とモトさん

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「ピアノくらいであれば、問題はないのでは?」 「いやいや、あれはのう・・・」 先生は、きっぱり首と手を振った。 「まあ、そのうちにわかるわさ。あ、2階に行こうかね。」 「はい。」 何だか途中までの説明で未消化気味だったが、モトさんは先生におとなしく従った。 西棟の2階に行くと、先生は個々の部屋を紹介した。 「西棟は、階段脇が菅野、それからヤクさん、1つ置いてコメさん、その向かいがハナさん。」 それぞれの部屋に、手洗いや浴室などがあるとのこと。 また、空いている部屋は、これからまだ入ってくる住人がいるかもしれないからとのことだった。 「我らのような中年ばかり集めて、本当にあ奴は何を考えておることやら。」 親友の奇行に、先生は苦笑した。
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