ヤクさんの推論

20/20
7942人が本棚に入れています
本棚に追加
/1157ページ
「明日からちょっとごたごたするから、みんなのこと、よろしく。」 今夜、いきなり決まったのだ。 モトさんとヤクさんとシンさんのアメリカ行きは。 もっとも、黄嶋自身はここに来る前に、十分な準備をしてきたのだろうが。 「管理人として、できるだけのことはするわい。」 「うん、頼んだ。」 その返事として、先生はブランデーが一口だけ残ったグラスを、黄嶋のグラスにかつんと当て、残りをすべて飲み干した。 館の住人が、外へ出るーーーしかも、海外へ。 それは、ここに彼らが集ってから初めてのことだった。 .
/1157ページ

最初のコメントを投稿しよう!