先生とモトさん

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重厚なデスクと、1対の椅子とテーブルは、どれも一見骨董品かと思われるようなデザインになっていた。 大型のクローゼットの前に、菅野が運び入れたスーツケース。 そして、フットレスト付きのベッドは、中世を思わせる天蓋付きだ。 「凝っとるだろう?ま、見た目だけで、いずれもそう古いもんではない。」 その証拠に、浴室や手洗いなどは、最新設備になっていた。 「クローゼットの中には、菅野が客人用に揃えておいたものが少々入っとるから、使っても使わんでもいい。  おまえさん、荷物はそれだけかの?」 先生は、ぽつんと置かれたスーツケースを見た。 越して来るには、あまりに荷物が少ない。
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