7945人が本棚に入れています
本棚に追加
/1157ページ
「個人のものは・・・あまり持ち出せませんでしたから。」
ぽつりとつぶやく言葉が、重かった。
先生は、モトさんの背中をぽんぽんと軽く叩いた。
「ま、人それぞれと言うことさ。気にしなさんな。言いたくないことは言わんでいいのも、ここのルールだ。」
モトさんには、なにやら深刻な理由がありそうだと、先生は思ったが今は聞かなかった。
まずは、ここが安心できる場所だということがわかること。
そして、ともに暮らす住人たちを少しでも信用すること。
それができなければ、誰が自分の過去の話をぺらぺらと話すものか。
なので、先生はこれ以上つっこんで聞く気はなかった。
「まあ、地下については、後での。何か質問は?」
最初のコメントを投稿しよう!