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エレベーターが到着すると
開いたドアに手をかけ
温人さんが紳士的に
またはホテルマンらしく
私を中へと促した。
「良い返事を
期待してるよ」
その言葉に
返事はできないまま
エレベーターのドアは
ゆっくりと閉じていった。
温人さんは最後まで
あの綺麗な顔に
笑みを張りつけていた。
私を求めておきながら
私を拒絶するような
分厚い仮面に似た
微笑みを……。
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