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彼女が一方的に
温人さんを想っている
というわけではない気がする。
ただの勘だ。
香坂さんの
左手薬指にも
指はあった。
まさか……。
「……だとしても
私には関係ない」
誰にともなく
呟いて
私はエレベーターの前から
ようやく動き出し
レストルームへと急いだ。
彼に乱されたルージュを
ひき直すために。
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