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「はは。すっかり
話しこんでしまってね。
ああ、大丈夫。
わかってるさ。
彼女はもう行かせるよ」
片手でネクタイを
直しながら
温人さんが
流し目を私に送る。
昔はあの
綺麗な瞳には
優しさしか感じなかった。
いまはその
欠片も見当たらない。
ひとつだけ
訊きたかった。
あなたは私を
ずっと
憎んでいたのですか、と。
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