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「……失礼いたします」
疑問も混乱も
すべて飲み込んで
私は頭を下げ
逃げるように
廊下へ飛び出した。
身なりはすぐに
整えられても
鼓動はすぐには
整わない。
温人さんの指
温人さんの唇
温人さんの舌
温人さんの匂い
それらが私の
身体に頭に
こびりついて
離れない。
それどころか
じわりじわりと
染み込んでいくよう。
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