2581人が本棚に入れています
本棚に追加
「……失礼いたします」
疑問も混乱も
すべて飲み込んで
私は頭を下げ
逃げるように
廊下へ飛び出した。
身なりはすぐに
整えられても
鼓動はすぐには
整わない。
温人さんの指
温人さんの唇
温人さんの舌
温人さんの匂い
それらが私の
身体に頭に
こびりついて
離れない。
それどころか
じわりじわりと
染み込んでいくよう。
最初のコメントを投稿しよう!