2人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は、野良猫のドム。
背のみじかい黒毛の若い猫です。
脚は、白いソックをはいたように白い。
僕は、野良猫仲間と、くらしている。
僕達の棲みかは基本的に
田園都市線つくし野駅から人間の足で10分ぐらいのところにある。街路樹に、囲まれた十字路の角に立つ
二階建ての賃貸マンションの駐車場だ。
そこに常時停めてある白塗りの古いワゴン車の下で、仲間の野良猫とくらしている。
今は、秋の日も落ち、夕方だ。茜雲に染まる、丹沢山塊は、猫でも、感動的だ。そろそろ、僕たち、野良猫の、面倒をみてくれる103号室の住人!ガスおばさんが、近所のスパーの、バイトを、終えて帰ってくる時間だ。
僕は、ブロック塀の上で、毎日ではないが見届けるのが、やくめだ。
この頃は、キャトフードばかりだたから、もしかするとマグロのぶつ切りかも。
カズおばさんの家庭は50近い夫と、男の中学生と、女の小学生の、四人家族だ。
世間では変わり者と、思われている夫は飲食店経営に、破綻して、今は、絵描きの、夢があって、自由時間が、比較的取れる、石焼き芋の販売を、拡声器のついた軽トラックで、田園都市線の、駅を流して生計の、糧にしている。
カズおばさん、は、もう少しまともな職業に就いてもらいたいと、願っているのだが、夫は、聞く耳を持たないようです。
夫は、少し稼ぐと、奥日光だ、ほら、奥入瀬だとか、絵描き仲間から誘われたので、断れない。とかいっては、出掛けてしまうのです
。だから、暮らしていくのは、大変なのです。
カズおばさんは、とんでもない男と結婚したものだと、猫仲間でも、同情しきり。
なぜ、僕がそんな家庭の、事情をしっているかって?
実を言うと、ほくだけが、カズおばさの許可を得ていて、この、家庭の出入りが自由なんだ。
なんでかわからないが、多分、白い短い足がが、魅力なのかも。なんちゃって。
そのせいで、家庭の、会話は、手に取るようにわかるのです。
ぼくは、1階で、ひたいほどの、小さな庭付き3dkの、狭い部屋の、かたすみで、テレビをみたり、いねむりしながら、会話を聴いているのさ。
ときおり、夫婦喧嘩で、やむ無く外に逃げ出すこともありますよ。
外にでるには、風呂場の窓が、僕のために解放してくれた出入口なのだ。
最初のコメントを投稿しよう!