第1章

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ダディは心底、お父さんを愛しちゃってる。 お父さんもダディを愛している。 それは誰の目を通しても、一途に純粋に映る。 同級生や上級生にカップルが数組いたけれど、羨ましくなかったのよね。 ほぼ毎日、近くで3組三様のカップルを見てたし、こっちのは羨ましいの。 私もいつか誰かとこんな風になりたいって思ったり。 『ねぇ?ダディ…もう切ってもいい?……今日入学式よ!?今、5時になるわ…2時間も早いの!!』 通話時間、約1時間。 このまま二度寝すると起きれないかもしれない。 「明日が入学式」って思うと興奮して、いつもより遅い時間に寝付いちゃったのよね、肌に悪いわ。 『……え?お父さんに眼鏡を?……分かった、分かったわ…言っとくから…じゃぁね、お仕事頑張って…うん、愛してる。ちゃんと伝えるからーバイ!』 通話を切る。 やっと。 長かったわ。 「ふ~…ダディったら、私を伝書鳩にしてない?」 私、1人プリプリしながら、ベッドから抜け出す。 私の部屋はおばぁちゃまの趣味が反映されていて、ほぼホワイトとピンク。 ベッドや机の家具類、カーテンもフローリングでさえも。
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