第1章

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“誰がなんと言おうと俺の子供だ” ………お父さんは本当に男前だわ。 幼稚園も小学校も別段代わりない日本人ばかりの学校。 異色の私。 父兄参加はいつだってお父さん。 母親のいない私。 他にも片親だけの家族はいたわ。 いたけれど、見た目が違う親子は奇異に見られるの。 初めはどうしてなのかわからなかった。 母親がいないことに疑問を持ったことはあまりないかも。 私の中で<家族>が成り立っていたから。 だけど、子供は残酷で。 色々な憶測を母親同士が話し合い、それを聞いている子供が当事者に伝えるの。 さも、自分が優位であるかのように。 小学生の5年生に上がる頃、組み替えがあって5年生になる。 繰り上がりクラスメイト、久しぶりのクラスメイト、初めましてのクラスメイトが集まる新しいクラス。 先生も初めて、担任を受け持つ女の人。 初めましての男女が私を奇異の目で見て、こそこそ話をする。 これが1週間続いてみて? 気付かないフリっていうか、面倒だったから、無視をしてたら、声が大きくなってたの。 可笑しかったけど、タイミング悪く、ある言葉を聞いちゃって―。
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