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……終わりなく…
いや、終わらせたくないこの夜も
もう少しで明けようとした頃…
「…さてと、そろそろ
『俺たちの返る時間』だな。」
「そうだな、もう『時間』だ。」
「名残惜しいがな。」
…みんなが口々にそう言うと、
ゆっくりと…ゆっくりとその姿が消えていく…
「お、おい!待ってくれ!
俺も一緒に連れて逝ってくれ。
あの日…
学徒動員でみんなが戦場に旅立ち、
俺だけが病で行けなかった『時の』様に
また俺だけ置いて『逝かない』でくれーっ!」
……あの日、あの戦争で
みんなは激戦地へ送られ…
そしてその命を散らせてしまった…。
当時、病弱で何の力もなかった俺は
徴兵されず
ただみんなを見送り無事帰って来る事を
祈り続けていた…
戦後、病を克服し
今まで生きてきた…
もう、思い残すモノも何も無い…。
故郷に、この村に出来る事も
もう何も無い…。
…ただ哭きながら、
みんなの方へ手を伸ばした時
もうほとんど
姿の見えなくなったみんなは
口々にゆっくりと話し出した。
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