8人が本棚に入れています
本棚に追加
『危ないよ深月、車くるよ』
こちらを向いてるからと、事前に知らせとけば避けられる。
そう思い歩いてると深月も気が付いたみたいで、Y字路の角の部分へ移動した。
『アハハ、なにそれ』
たしかに車はどちらかに曲がるから、その深月の場所には来ないけどさ、だからと言ってカカシみたいに止まらなくてもいいのに。
次第に大きくなる車をボンヤリと眺めてると、なんだか違和感を覚えた。
あの車、減速とかしないのか、と。
速くなってるようにも見えた。
居眠り運転なんじゃ、と思った時には駆けた。
『深月ッ!!』
叫んだ。
もう車は突っ込んでくるのがわかった。
避けてくれと願いも通じるかわからない。
なんとか間に合い、手を引っ張る。
それが、やけに軽くて。
俺が引っ張れたのは、絵具だらけの手袋のみだった。
深月が涙目で俺を見たと思った瞬間、景色がブレた。
それと同時に伸ばした腕に衝撃が走り、吹き飛んだ、それと同時にブラックアウト。
また場面が切り替わる。
次は病院。
俺は腕が固定されてた。
最初のコメントを投稿しよう!