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プロローグ
久しぶりに会いに来ることができた。
チャイムを鳴らすと事前に知らされていたのか、実乃里の声が近づいてくる。
「担お兄ちゃん!」
玄関を開ける前から確認もせずに
俺の名前を呼んで走ってくるのが可愛らしくて、フッと笑いが漏れた。
ガラッ ダンッと乱暴に玄関の扉が開かれると相変わらず人形のように艶のある長い髪と
クリクリした目の持ち主が姿を見せた。
「こんにちは実乃里、久しぶりだな」
「やっぱり当たった!
ママー!担お兄ちゃーん!」
大声で多恵子さんを呼び、俺に家へ入るように手を引っ張る実乃里。
「担くん久しぶりね~。上がってゆっくりしてちょうだい!
実乃里!そんなに引っ張ったらお兄ちゃん靴脱ぎにくいでしょう」
多恵子さんも相変わらず元気そうだ。
「多恵子さんお久しぶりです。
大丈夫ですよ。会えて喜んでもらえて良かったんで、気にしないでください」
靴を脱ぐと実乃里に手を引っ張られながら、居間ではなく
最近用意してもらったばかりだという自分の部屋を案内してもらうことになった。
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