第一章

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俺は頭が真っ白になったまま、ふらふらと職員室を出た。 「マジありえねー!!!!」 「まあまあ、落ち着けよ」 グアーっ!!と叫ぶ俺を親友の永浜 恭介[ナガハマキョウスケ]が宥める。 恭介は幼馴染で保育園からずっと一緒。何でも話せる仲だ。 しっかり者で俺の面倒をよく見てくれる。 明るい茶髪で爽やかイケメン。 めちゃめちゃモテるからむかつく。 「だっていつも敵対している風紀委員にだぜ!? 可笑しいだろ!!」 恭介以外の友達はゲラゲラと笑っている。 「だってさー、夕君が一番風紀委員の委員長と口喧嘩してんじゃん。 傑作だねーこれ!」 あー、腹痛いと笑いながら言うのは 友達の一人の矢野 瑞希[ヤノミズキ]。 面白いことが大好きで、ノリがいい。かなりのドS。 こいつとだけは喧嘩したくない。 「そんなの行かなきゃいいじゃん」 「俺もそれは考えたんだよ恭介くん。それを見透かしたようにあいつは!! 『行かなかったら留年な』だとよ!」
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