第一章

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「誰が女顔だと…? 一回お前のその腐った目を取り替えてこい」 バチバチっと二人の間に火花が起きる。 今にも飛びかかる勢いだ。 毎回、こいつと会う度に何故か喧嘩が突発する。 つーか、こいつが人の神経を逆撫でするようなことばかり言うからだ!! 「二人共やめてください。 委員長、大人気ないですよ」 そうやって、困った顔で牽制に入るのは副委員長の志井 幸広[シイユキヒロ]さん。 この人は委員長と大違いで、ほんわかしててこっちまでふにゃっとなる人。 幸広さんが言うなら仕方がない。 俺はしぶしぶ睨むのを辞めて、幸広さんの側に寄る。 「夕葉君は偉いね。 いい子いい子~」 ぽんぽんっと笑顔で撫でられると、イライラした気持ちが治まった。 「そいつを甘やかす必要はない」 不機嫌そうに椅子に座る霧谷にあっかんべーをする。 ふん! お前の言う事なんてきいてやらねーからな! 「二人とも落ち着いて。 これから夕葉君も新しい仲間なんだから仲良くしてね」 幸広さんの言う事でもそれは出来ない話だ。
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